海外に居住している(海外に住所がある)相続人がいる場合

Q:私(44歳、女性)は、主人の海外転勤に伴い3年前からアメリカに居住しています。
今年、3月に私の父(日本在住・日本国籍)が死亡し、他の相続人との遺産分割により、日本国内にある不動産と預貯金を相続することが決定しました。
父の相続財産は基礎控除を超えておりますが、相続税申告の際に私も申告する必要があるのでしょうか?
申告する必要がある場合、必要な手続きについて教えてください。

A:
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江東区門前仲町の税理士 渋谷広志(しぶやひろし)です。


ご質問ありがとうございます。ご相談者様はいわゆる非居住者に該当しますので、相続税申告書の提出、税務署等からの書類の受取や、税金の納付等の納税義務を果たす必要があるため、「納税管理人」を定める必要があります。
また、相続税の申告に際し、他の相続人も含めて「小規模宅地の特例」や「配偶者の税額軽減」の適用を受けるのにあたり、サイン証明(拇印証明)が必要となる場合があります。


1.納税管理人

①納税管理人とは
納税管理人は、海外に居住している納税者に代わって確定申告書の提出、税務署からの書類の受取や税金の納付等を行う人で、税務処理の便宜を図るために設けられた制度です。...誤解を恐れずにいえば、税務署側から見れば、戦国時代や江戸時代の参勤交代制度の人質みたいなものです。

②納税管理人になれる人
納税管理人になれる人は、個人でも法人でもなれますが、日本国内に住所を有する人に限られます。
また、なるべく納税地の税務署管轄内の人がよいとされています。

③納税管理人になれない人
未成年者、成年被後見人、禁治産者や破産宣告を受けた人はなれません。


2.サイン証明(拇印証明)

①サイン証明とは
サイン証明とは、印鑑証明の代わりになるもので、「不動産」や「車」の名義変更の際に求められる場合があるものです。

②相続税の申告で必要なケース
サイン証明とは、日本でいう印鑑証明の代わりになるものですので、ひとことでいえば、印鑑証明の添付が必要な場合にサイン証明が必要になります。
相続税申告のケースでいえば、印鑑証明が必要なケースは、遺産分割協議書の添付が必要なケースとなります。
具体的には、小規模宅地の特例配偶者の税額軽減の適用を受ける場合で、遺産分割協議書の添付が要件となっているケースとなります。

③サイン証明の種類
サイン証明には「形式1」(いわゆる一体型)と「形式2」(いわゆる分離型)があります。
あらゆる手続きで確実なのは、「形式1」ですが、私の経験上ではありますが、相続税の申告に限っていえば、「形式2」でも大丈夫だったケースもあります。(あくまで私の経験則です)
ここで「形式1」とは日本領事館等が発行する証明書と申請者が領事館の面前署名した私文書(遺産分割協議書など)を綴り合せて割り印を行うものです。
一方で「形式2」は、日本の印鑑証明書のように申請者に署名(及び拇印)を単独で証明するものです。

④手続き
日本領事館に次のものを持参します。
「形式1」「形式2」ともに、有効な日本のパスポート
「形式1」の場合は、上記に加えて証明する私文書※
※ 署名前のものを持参します。 
   
⑤サイン証明に代えて・・・
サイン証明の一種にはなりますが、日本領事館等に印鑑を登録し、発行を受けた印鑑証明書を相続税の申告書に添付することもできます。
また、本件の場合、アメリカの公証人から遺産分割協議書の署名について認証を受けたものを添付することもできます。


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このコラムは、2019年4月25日時点の法令により作成しているため、今後の法改正により異なる取り扱いとなる場合があります。
また、専門的な内容を判り易くするため、敢えて詳細な要件などを省略していることもあります。本コラムに記載されている内容を実行する際は、予め税の専門家にご相談してください。
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