その土地。共有名義では?(共有名義不動産の解消方法)

相続税の申告のお手伝いをしていると、共有名義になっている土地を少なくない割合で拝見します。共有名義の土地を処分する共有場合は、共有者全員の同意が必要です。

共有者が被相続人とその配偶者や子の場合は同意を得やすいのですが、共有者が被相続人とその兄弟姉妹(相続人からみたら叔(伯)父や叔(伯)母)の場合は少し厄介になります。その兄弟姉妹が存命で意識がはっきりしていれば良いのですが、そうでない場合はその子(つまり従妹)や後見人と話しをまとめないといけません。

共有物分割請求権を行使し裁判所で解決する方法もありますが、時間も労力もかかります。

共有不動産を物納するという手段もありますが、共有持ち分の全部でないと物納は認められないので現実的ではありません。

また、共有持ち分を買い取る専門業者もありますが、安く買いたたかれます。

相続の生前対策はこのような財産の整理も含まれているのです。

共有名義の解消方法

先の相続で遺産分割が未了であった場合は、遡って遺産分割することも可能ですが、そうでない場合の解消方法には次の3つがあり、それぞれのメリット・デメリットがありますが、いずれの場合も共有者全員の同意が必要です。

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所得税・相続税(贈与税)の観点から

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生前に行うべきこと

土地の権利関係を整理するのは、共有になった経緯を知っている関係当事者が存命で弁識能力がはっきりしているうちに行うべきです。

関係当事者が亡くなったあとでは、残された人は親族とはいえ他人に近い人と交渉をしないといけないこととなり時間と労力を費消することにつながるのです。

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このコラムは、平成29年8月31日時点の法令により作成しているため、今後の法改正により異なる取り扱いとなる場合があります。
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