一筆の土地に自宅と貸家が建っている場合の評価

Q:父の相続財産に自宅と貸家があり、一筆の土地に建っております。相続人は母と私の2名で、私は嫁いで主人の自宅に居住しています。相続の方法により、評価額は異なるのでしょうか?

A:

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江東区門前仲町の税理士 渋谷広志(しぶやひろし)です。

お問合せありがとうございます。次のような土地の利用状況なのですね。具体的に数字を入れて考えてみましょう。



借地権割合:60%

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1.土地の評価単位と評価額は?

土地は利用単位ごとに評価することになっているため、土地は、Aの自宅部分とBの貸家部分に区分して評価します。

A(自宅)部分・・・500,000円×165㎡=82,500,000円
B(貸家)部分・・・500,000円×100㎡×(1-60%×30%)=41,000,000円
合計 123,500,000円



2.面積は半分(132.5㎡)に分けて評価するのでしょうか?

それぞれの家屋の敷地面積として適正か?
また、誰がどのように相続するかなどシミュレーションすることをお勧めします。
例えば、次のように、自宅及びその敷地面積165㎡を母が、貸家及びその敷地面積100㎡を娘さんが、相続することが可能であれば評価額を下げることができます。
なお、娘さんは、相続税の申告期限まで貸家及びその敷地を貸家のまま所有し続けることが必要です。

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A(自宅)部分・・・82,500,000円×(1-80%)=16,500,000円
B(貸家)部分・・・41,000,000円×(1-50%)=20,500,000円
合計 37,000,000円



3.どうしてこんなに評価が下がるのか?

ご相談者様もお聞きしたことがあるかと思いますが、「小規模宅地の特例」といって、土地の利用状況や相続の方法によって、土地の評価額を20%又は50%に評価できる制度を利用できたからです。
この制度は適用できる土地の面積に上限が定められておりまして、今回のケースでは、自宅を165㎡以上の面積で分割できれば、すべての敷地に適用することができます。



4.注意点は何かございますか?

不動産は登記して初めて第三者に対して効力を有していることを証明できます。
ご相談者の場合、土地が一筆ということですので、利用区分ごとに分筆する必要がございます。
分筆は、通常3か月以上要し、また費用もかかるので、できれば相続開始前に、相続開始後は早期に取り掛かることをお勧めしております。



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このコラムは、2021年4月1日時点の法令により作成しているため、今後の法改正により異なる取り扱いとなる場合があります。
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